本来メモを取る目的は、
・頭の中が整理できるようになる
・仕事のスピードが上がる
・時間に余裕ができる
・「知的生産性」が上がる
・問題を解決する方法を導き出す
などです。
しかし、普段からノートにメモを取っているけど
『本当に大切なことがわからない』『必要なことも選別
できず自分が本来やるべきことがわからない』
そして『思うようにいかないことにイライラして
アイデアどころか、仕事もうまく進まない』
といった悪循環に陥ってしまう。
これでは、本末転倒です。
材料をそろえるだけでは料理にはならない
なぜ、こんなことになるのでしょうか。
それは、目で見た、耳で聞いた事実、だけを
書くことに必死になっているからです。
この必死に集めた事実は、単なる原材料でしか
ありません。
何かを生み出すためには、この材料を加工して
さらに、ほかの加工された材料と混ぜ合わせる
などしてカタチにしていく必要があります。
たとえば、料理人が料理を作る際、まず食材を
そろえます。
そのあと野菜や肉、魚を切って下味をつけるなど
下ごしらえをして、そして料理にしていきます。
場合によっては、下ごしらえのあと数日ねかせ
たりもしますよね。
つまり、料理を作りたいけど下ごしらえをして
いない、ましてや加工すらされていない
原材料を、そのままノートに放置している
状態なのです。
そして、ノートの1ページをどう使うかが
はっきり決められていないことも原因の
ひとつかもしれません。
『未来の自分は必ず忘れている』が前提
まず、目で見た、耳で聞いた事実を
書き出し、それ以外のことを必ず書き残す。
そしてひと目でわかるようにノートの中で
区別することです。
『未来の自分は必ず忘れている』を前提に、
とった当時の自分の考えや気づきの足跡は必ず
残しておきます。
『未来の自分に伝えるためのメッセージを残す』
これを意識すると格段に効果が上がります。
参考として、いくつかメモを取るノートの
使い方を紹介します。
これは、ページの中心に線を引いて左側に
『事実・疑問』右側に『考察』や
『気づき』をかく。
その中で重要なところを色分けする。
これは、ページに2本の線を引き、左側に
『事実・疑問』真ん中に『考察』右側に
『気づき』をかく。
同じく重要なところを色分けする。
これは、SHOWROOM社長 前田祐二さん
『メモの魔力』(幻冬舎) より
前田さんのメモ術を参考にしたものです。
見開き2ページを使う。
左ページ:
目の前で起きた、耳で聞いた『事実』を書き出す。
右ページ左半分:
その事実を『抽象化』したものを書き出す。
『抽象化』は、複数の情報から共通する
要素を抜き出したもの、つまり
ものごとの本質です。
「なぜ、そうなったのか」「なぜ、自分はそう
感じたのか」など深掘りして理由を分析して
書き出す。
右ページ右半分:
分析して得たことを、自分ならどう『転用』
するかを書き出す。
応用する方法まで考えることで、次の
『行動』をメモに残すことができます。
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メモに意味や価値が生まれる
ノートの中で
『起きた事実を書くスペース』
その事実に対して
『どう考えたかを書くスペース』、その考えを
『どう活かすかを書くスペース』、をもうける
ことで、自分自身に『考えること』を促して、
さらに『書き出す』ように仕向けることが
できます。
書き出して考えることが、習慣になっていきます。
起きた事実を書き出したあとに『やっぱり、
何を書けばいいのか分からない』というので
あれば、そのまま『なぜ、起きた?』と
書き出してください。
そうするだけで、起きた『理由』を考え始めます。
漠然とした頭の中の考えを、一度頭の中から
取り出して視覚化することで、並べ替えたり、
組み合わせたりすることも可能になるのです。
ノートに、あえて “ 書き出す場所 ” を与える
ことで、考える → 行動する までの方向を
指し示す、地図ができあがるのです。